2018年7月の天文情報

国立天文台の天文情報より、7月の天文カレンダーのご案内です!

7月天文カレンダー

  • 2日…半夏生(太陽黄経100度)
  • 6日…下弦
  • 7日…地球が遠日点通過 / 小暑(太陽黄経105度)
  • 11日…木星が留
  • 12日…水星が東方最大離角
  • 13日…新月 / 部分日食(日本からは見られない)
  • 20日…土用の入り(太陽黄経117度)/ 上弦
  • 23日…大暑(太陽黄経120度)
  • 25日…水星が留
  • 27日…火星が衝
  • 28日…満月(2018年最小の満月)/ 皆既月食
  • 30日…このころ、みずがめ座δ(デルタ)南流星群が極大(見頃は極大を中心とする6~7日間の夜半過ぎ。1時間に2個程度。月の影響が大きく条件がたいへん悪い)
  • 31日…火星最接近

順番に見ていきましょう。

太陽黄経

★太陽黄経は太陽の通り道を360度で表した数字で、春分点という黄道(太陽の通る道)と天の赤道(地球の赤道をそらへ投影した線)が交差したところを0度としています。
つまり秋分点は太陽黄経180度ということですね。

お月さま

★上弦(じょうげん)下弦(かげん)というのはお月さまの満ち欠けで、どちらも半月のことです。
お月さまは新月の何も見えない状態をすぎると、右側から三日月になっていきます。だんだん面積が増えていって、右半分が輝いている状態の半月が上弦。そこから満月になり、また右側から暗くなってきます。そこで左半分が輝いている状態の半月までいくと、下弦。そして真っ暗になって、次の新月…というわけです。

半夏生

★半夏生(はんげしょう)は雑節のひとつで、半夏(烏柄杓)という薬草が生えるころです。かつては夏至から数えて11日目となっていましたが、現在は黄道100度の点を太陽が通過する日となっています。

地球が遠日点通過

★遠日点(えんじつてん)というのは、惑星の公転において太陽から最も遠くなる点です。地球が遠日点を通過するときの太陽との距離は約1億5200万kmです。

小暑

★小暑(しょうしょ)とは二十四節気の第11で、梅雨明けが近づき、暑さが本格的になるころとされています。小暑あるいは大暑から立秋までの間が暑中で、暑中見舞いはこの期間内に送ります。

木星が留

★木星が留というのは、惑星が止まっているようにみえることです。地球から見た時、惑星が恒星を背景として西から東ではなく、東から西に動いているように見えることがあります。これを逆行と呼び、順行から逆行へ移るとき、逆行から順行へ戻るときの止まっているように見えることです。

水星が東方最大離角

★水星が東方最大離角というのは、地球から見ているときに、水星が太陽から一番離れている位置となります。

日食

★日食(にっしょく)は、月が太陽の手前を横切るときに月によって太陽が隠される現象です。月と地球の公転軌道が楕円のため、地球から見て月のほうが大きく見える位置のときに起こる日食は太陽全体が隠される皆既日食、逆の場合は太陽がはみ出して細い光輪状に見える金環日食と呼ばれます。また、太陽が部分的に隠されることを部分日食と呼びます。

土用の入り

★土用の入り(どようのいり)は、五行に由来する暦の雑節である土用の最初の日で、四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日前になり、1年に4回あります。

大暑

★大暑(たいしょ)とは二十四節気の第12で、快晴が続き、気温が上がり続けるころとされています。夏の土用が大暑の数日前から始まり、大暑の間続きます。

水星が留

★水星が留というのは、惑星が止まっているようにみえることです。地球から見た時、惑星が恒星を背景として西から東ではなく、東から西に動いているように見えることがあります。これを逆行と呼び、順行から逆行へ移るとき、逆行から順行へ戻るときの止まっているように見えることです。

火星が衝

★火星が衝というのは、地球から見て火星が太陽と反対の位置にある状態です。

月食

★月食(げっしょく)は、地球が太陽と月の間に入り、地球の影が月にかかることによって月が欠けて見える現象です。すべての部分が本影(地球によって太陽が完全に隠された部分)に入る場合を皆既月食、一部分だけが本影に入る場合を部分月食と呼びます。

みずがめ座δ(デルタ)南流星群が極大

★みずがめ座δ(デルタ)南流星群は、みずがめ座の中心部のやや下方から流れる流星群です。その位置を中心に流星が出るだけで、そちらの方角にしか見えないわけではありません。また、この28日が極大日と言われる活発な日であるだけで、その前後の数日間も流星は見えます。この日は満月のため、月を視界に入れないように、月と反対側の空を眺めるほうがいいでしょう。ちなみに流星群はその星座のあたりを星が流れているのではなく、地球の軌道上を彗星が通ったときに残した塵が地球の大気圏にぶつかって、燃えているのが見ています!

火星最接近

★地球よりも外側の軌道にある火星の公転周期は687日、地球の公転周期は365日です。火星よりも公転のスピードの速い地球は、約780日(約2年2カ月)ごとに火星に追いつき、追い越します。このとき、火星と地球の距離が近くなります。今回の火星と地球の間の距離は5,759万キロメートルとなり、6000万キロメートルよりも近い距離まで近づくのは2003年の最接近以来15年ぶりとなります。

いよいよ15年に一度の火星の最接近の日がやってきました。木星よりも明るく輝く火星は、ぜひ天体望遠鏡でお楽しみください。木星、土星も観測のシーズンを迎えます!

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ルーペスタジオ